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作って覚える フライングロゴ編 5

前回まではオブジェクトのアニメーションを作成してきました.今回はカメラアニメーションを作成します.

カメラアニメーションの完成としては,テキストベースの側面からはじまり,変形に合わせて隙間をかいくぐりながら最後は斜め下からやや見上げるようなアニメーションです.

カメラアニメーションの流れ

一つのカメラに対してキーフレームを記録しても良いのですが,カメラの位置,角度が様々に変化していくため後々の修正が少し大変そうです.そこで,今回はカメラモーフという機能を使って,何台か設置したカメラをモーフィングさせながらアニメーションさせる方法を使います.モーフィングは段階的な状態を事前に用意しておいて,ある状態から別の状態へスムーズに変化させていくことができます.そのカメラ版です.

カメラモーフを使う場合には,事前に複数のカメラを配置することになるので,まずは最初の位置にカメラを配置していきます.

目次

1台目のカメラ:0フレームのポジションにカメラを配置する

シーンに新規カメラを作成します.

カメラを作成する

1台目のカメラ設定を調整します.まずは焦点距離を広角気味にして空間の奥行きをしっかり出しておきます.
「焦点距離」…「広角(25㎜)」

座標と角度を調整します.カメラに切り替えてエディタ上で操作して合わせても構いませんが,パラメータとしては以下のように設定します.チュートリアル通りの場合は次の数値を使用していますが,見た目ベースで合わせても問題ありません.

「P.X」…「-730㎝」
「P.Y」…「-40㎝」
「P.Z」…「-1250㎝」

「R.H」…「-30°」
「R.P」…「0°」
「R.B」…「-90°」

とします.R.Bを90°にしてカメラを傾けています.レンダリングのセーフフレームから少しテキストベースが隠れるくらいの位置になります.

エディタ上でのカメラの傾きは「3 + 右ドラッグ」で調整することもできます.

カメラから見た状態
1台目のカメラパラメータ
1台目のカメラパラメータ

また,カメラの名前を「カメラ_1」として最初のカメラであることが分かるようにしておきます.

1台目のカメラができた

2台目のカメラを作成する

1台目のカメラ位置が決まったらデフォルトカメラに戻します.そしてシーンに2台目のカメラを追加します.タイムラインを「70」に合わせてておきます.70フレームの時のカメラの位置を決めます.

パラメータは
「焦点距離」…「広角(25㎜)」
「P.X」…「90㎝」
「P.Y」…「50㎝」
「P.Z」…「-630㎝」
「R.H」…「-20°」
「R.P」…「-15°」
「R.B」…「-30°」

とします.大体以下のような見た目にして,変形するテキストベースの下側を潜り抜けるような位置にしておきます.また,カメラの名前は「カメラ_2」としておきます.

2番目のカメラは70フレームの時点での見た目の配置
2番目のカメラは70フレームの時点での見た目の配置
2番目のカメラのパラメータ

3番目のカメラを作成する

カメラをデフォルトカメラに戻して,3番目のカメラをシーンに追加します.タイムラインを「120」フレームに合わせてカメラ位置を決めていきます.パラメータは

「焦点距離」…「40」
「P.X」…「200㎝」
「P.Y」…「-100㎝」
「P.Z」…「-500㎝」
「R.H」…「20°」
「R.P」…「20°」
「R.B」…「0°」

とします.やや下から煽り気味でロゴを見上げる位置となります.カメラの名前を「カメラ_3」としておきます.

3番目のカメラ位置を作成して位置を決める
3番目のカメラ位置を作成して位置を決める
3番目のカメラのパラメータ
3番目のカメラのパラメータ

カメラモーフを作成してモーフィングさせる

これで3つのカメラがそれぞれの位置に配置できたので,これらをモーフさせるためにカメラモーフを作成します.まずはオブジェクトマネージャ上でカメラの並びを上から「カメラ_1」,「カメラ_2」,「カメラ_3」と並び変えておきます.並びによってモーフィングする順番に影響がでます.また,カメラをすべて選択した状態にしておきます.

複数カメラを選択
複数カメラを選択

次に,メインメニューの「作成」→「カメラ」→「カメラモーフ」でモーフカメラを作成します.カメラに「カメラモーフ」タグがついたカメラがシーンに追加されます.

複数カメラを選択状態でカメラモーフを作成する
複数カメラを選択状態でカメラモーフを作成する

カメラモーフタグにモーフィング用のパラメータがいくつかありますが,今回使うのは「ブレンド」だけです.ブレンドは「ソースカメラ」に追加されたカメラの状態をブレンドする割合で,「0%」なら「カメラ_1」の状態になり,「100%」なら「カメラ_3」の状態になります.

カメラモーフタグのパラメータ
カメラモーフタグのパラメータ

また,カメラモーフにはカメラの焦点距離をはじめとする各種カメラパラメータのモーフィングもできます.それらは「モーフトラック」のチェックボックスで設定ができます.

それではブレンドにキーを記録してカメラアニメーションを作成します.タイムラインを「0」フレームに合わせて
「ブレンド」…「0%」
でキーを記録します.

ブレンドパラメータにキーを記録する
ブレンドパラメータにキーを記録する

タイムラインを「90」フレームに合わせて,
「ブレンド」…「100%」
でキーを記録します.できたら,エディタカメラをモーフカメラに切り替えてアニメーションを再生してみましょう.

90フレーム目でキーを記録
90フレーム目でキーを「100%」で記録
カメラをモーフカメラに切り替える
カメラをモーフカメラに切り替える
モーフカメラからの見た目
モーフカメラからの見た目

モーフカメラを使うと「ブレンド」のコントロールだけで各カメラの位置や角度はもちろん,焦点距離なども変化させていくことができます.各カメラの位置を変更したり,「ブレンド」のFカーブでタイミングを変化させれば良いので後からの調整もやり易いでしょう.

別の方法としては単独のカメラに位置や角度,焦点距離にキーを記録する方法や,スプラインに沿ってカメラを移動させる方法もあります.どの方法が一番良いというわけではなく,それぞれにメリットがあるので作成する内容に応じて使い分けられるようにしておくのが良いでしょう.

これでカメラモーフによるカメラアニメーションの作成はできました.次回やマテリアルを設定していきます.

今回までのデータはこちらからダウンロードできます.

作って覚える フライングロゴ6へ

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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