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作って覚える プロシージャル頂点マップでマテリアルアニメーション 2

前回はベースとなるテキストアニメーションまでを作成しました.

今回は頂点マップを作成するまでを解説していきます.

目次

頂点マップタグを作成する

頂点マップは頂点に記録するものですから,実際のポリゴンがある程度細かく分割されていないと粗いものになります.テキストはデフォルト状態では頂点が少ないためそのまま頂点マップを作ってもあまり意味がないといえますので,先に頂点マップに適した分割数に調整します.

実際の分割ラインが確認できるようにエディタの「表示」から「グーローシェーディング(線)」(ショートカットN~B)に変更しておきます.

エディタで線を表示しておく

今回はかなり細かく分割するので,もしPCのスペックにより作業が重くなりすぎる場合は分割数のパラメータを適宜調整してください.

テキストオブジェクトの「オブジェクト」タブを開き,
「細分化」…「25」
「補間法」…「細分化」
「最大長」…「1㎝」

とします.

テキストを細かく分割する

「キャップ」タブを開き,
「キャップタイプ」…「均等分割」
「サイズ」…「2㎝」
「四角優先」…「オン」

にします.

キャップも細かく分割する

これで次のように非常に細かく分割されたテキストになるかと思います.

かなり細かい

この状態に対して頂点マップを記録しますが,そのまえに「一体化」オブジェクトを作成して,テキストを子にします.テキストは内部的にはMoGraphオブジェクトでポリゴンオブジェクトではないため,頂点マップを記録しようがないため,一体化オブジェクトを使用して内部的にポリゴンオブジェクトの状態にします.

そのうえで,一体化オブジェクトに対して「タグ」メニューから「その他」→「頂点マップ」タグを適用します.

一体化を作成する
一体化に対して頂点マップタグを割り当てる

頂点マップタグを選択するとオブジェクトが赤くなることを確認します.赤い状態は頂点マップが「0」の状態です.頂点マップを記録していきましょう.しかし一体化やSDS,その他プリミティブオブジェクトに対してはペイントツールによる頂点マップを記録はできませんので,フィールドを使うことになります.

頂点マップをフィールドでコントロールする

頂点マップタグを選択し,「フィールド」タブを開いたら,「ボックスフィールド」を作成します.

頂点マップにボックスフィールドを適用する

ボックスフィールドを選択し,
「サイズ.X」…「250㎝」
「サイズ.Y」…「100㎝」
「サイズ.Z」…「30㎝」

とします.

ボックスフィールドのサイズ

「座標」タブを開き,
「位置.X」…「0㎝」
「位置.Y」…「100㎝」
「位置.Z」…「-100㎝」

とします.

ボックスフィールドの位置

「リマップ」タブを開き,
「内部オフセット」…「90%」
とします.

リマップを調整する

このようにボックスフィールドを配置すると,テキストがボックスフィールドを通過する際に頂点マップが黄色くなることが確認できます.黄色い状態は頂点マップが「1」の状態です.

ボックスフィールドで頂点マップを変更できた

パーティクルで頂点マップをコントロールする

もちろんボックスフィールド以外でも同様にコントロールできますし,フィールド自体をアニメーションさせても良いでしょう.

今回はパーティクルを使用して,パーティクルのアニメーションに合わせて頂点マップをコントロールもしてみます.「シミュレート」メニューから「エミッタ」をシーンに追加します.

エミッタをシーンに追加する

エミッタはパーティクルを放射するためのオブジェクトです.自身のZ軸の方向に対してパーティクルを放射する性質をもっています.今回はテキストの下側から上方向に向かって放射したいので,
「R.P」…「90°」
とします.

エミッタの角度を変える

さらに「エミッタ」タブを開き,
「X方向の大きさ」…「400㎝」
「Y方向の大きさ」…「200㎝」

とします.

さらに「パーティクル」タブではパーティクルの数や動きを調整できます.作例では以下のように調整しています.

パーティクルの設定

パーティクルの動きにもう少し変化が欲しいので,「シミュレート」メニューから「フォース」→「タービュランス」をシーンに追加します.

タービュランスをシーンに追加する

タービュランスを選択し,
「強度」…「15㎝」
「スケール」…「50%」

とします.

タービュランスを調整する

タービュランスは乱流のような動きを表現する際に便利なモディファイアです.再生させるとパーティクルがランダムな方向に移動していくのが分かります.

再び頂点マップタグを選択し,「フィールド」に「エミッタ」をドラッグ&ドロップします.「パーティクルオブジェクト」としてフィールドに追加してください.
「合成」…「最大」
に変更します.

エミッタをパーティクルモディファイアレイヤとして使う

この状態だとパーティクル周囲にボヤっとした頂点マップが描画されます.今回はマテリアルアニメーション用のマスクとしての役割があるため,もうすこしくっきりとした頂点マップにしましょう.

そこで,エミッタモディファイアレイヤを選択し,「リマップ」を開き,
「リマップを有効」…「オン」
「内部オフセット」…「95%」

にすることで,パーティクルの境界線がよりはっきりした状態になります.「レイヤ」タブの「半径」を調整すれば描画される頂点マップの大きさを調整できるようになります.

リマップの調整

アニメーションを再生させると次のように頂点マップが描画されます.ボックスフィールドを通り抜け,その後にパーティクルが通過していくことでフィールドによる頂点マップのコントロールができました.

頂点マップのアニメーションができた

頂点マップはポリゴンの分割数が少ないとなめらかなマップが描画できませんので,今回のようにはっきりとした境界線が必要な場合はある程度の分割数が必要になります.もちろん,そのような分割数が不要なら極力少ない方がエディタも軽くなるので良いでしょう.重要なのは必要に応じで自分でコントロールができるようになることです.

また,フィールドを使って頂点マップをコントロールできることを学びました.頂点マップはCG制作においては良く使う手法です.これを知っておくことでより多彩なものをコントロールできるようになります.

今回作成した頂点マップをどのように利用するのか,それを次のパートで解説していきます.

ここまでのデータはこちらからダウンロードできます.

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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