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つくって覚える第7回 デフォーマーアニメーション Part.2

前回は屈曲デフォーマを使ってこのようなアニメーションを作成しました.

前回の記事→ つくって覚える第7回 デフォーマーアニメーション 1/2

今回はRedsfhitでマテリアルとレンダリングまで行っていきましょう.

目次

Youtubeチャンネルのチュートリアル動画はこちら

動画でご覧になりたい場合はこちらをどうぞ.ブログ記事の最後ではサンプルファイルも配布しています.

クローナーに関エフェクタを適用する

このままだとカラーが寂しいので,ランダムなカラーをつけてカラフルにしていきます.

クローナーで複製したクローンにそれぞれランダムなカラーを割り当てたい場合,基本的にエフェクターを利用するのが簡単でおすすめです.クローナーを選択した状態で,簡易エフェクタを作成します.

クローナを選択した状態で簡易エフェクタを作成する

クローナーを選択したままエフェクタを作成すると適用されます.クローナーのエフェクタタブを開いてシーン内のエフェクタをドラッグ&ドロップしてきてもよいです.

簡易エフェクタがクローナーに適用されるとクローンがY方向に100㎝移動しますが,この簡易エフェクタはカラーを変更するだけなので効果を調整します.簡易エフェクタの「パラメータ」タブを開き,
「位置」…「オフ」
にします.これでクローンの位置は元に戻ります.

簡易エフェクタの位置効果をオフにする

カラーはフィールドで作りますので,「フィールド」タブを開きフィールドリストから「ランダム」フィールドを作成します.

簡易エフェクタのフィールドリストにランダムフィールドを追加する

フィールドリストに追加されたランダムフィールドのモードアイコンをクリックして
「効果」…「オフ」
「カラー」…「オン」

に変更します.効果自体は簡易エフェクタのパラメータでオフにしているので,実際には効果がオンでも問題はありませんが,基本的には不要な場合はオフにしておいた方が見て分かりやすいでしょう.

効果をオフ,カラーをオン

ランダムフィールドのカラーモードが有効になるとクローンにはランダムなカラーが割り当てられます.このままでは完全にランダムカラーなので,指定したカラーの中からランダムに割り当ててみます.

そこで「カラーリマップ」タブを開き,
「カラーモード」…「グラデーション」
に変更します.

ランダムフィールドのカラーリマップをグラデーションに変更

グラデーションを好きなカラーに変更する,またはプリセットから好きなグラデーションを読み込みましょう.これで,グラデーションの中からランダムなカラーを割り当てることができました.

グラデーションプリセットから読み込んでもよい

おまけ:ステップフィールドでカラーを変えると?

ステップフィールドでカラーモードを使うと,クローンに順にカラーを割り当てることができます.グラデーションを使用した場合,そのカラーがクローンに順に出てきます.

ステップフィールドでカラーリマップを使うことも

マテリアルを設定する

Redshiftで設定を進めますので,先に「レンダリング設定」(Ctrl+B)を開いて,
「レンダラー」…「Redshift」
に変更しておきます.

レンダラーをRedshiftに変更する

「マテリアルマネージャ」(Shift+F2)を開き,「作成」→「Redshift」→「Materials」→「Standard」マテリアルを作成します.

Redsfhit Standardマテリアルを作成する

マテリアルマネージャのマテリアルサムネイルをダブルクリックしてノードエディターを開きます.エディター上で「C」キーを押してノード検索欄に「User Color」と入力し,結果の中から「User Color Data」ノードを追加します.

ノードエディタでColor User Dataノードを追加する

Color User Dataは選択した内容により出力されるカラーが変わります.ここではMoGraph Color を出力するように指定したいので,Color User Dataノードを選択し,
「Attribute name」の「Preset」から「MoGraph」→「Color」を選択します.そしてOutポートをBase Colorへ接続します.

Color User Dataノードを設定し接続する

このマテリアルをクローナー(子の押し出しでもよい)に割りてます.

マテリアルを割り当てる

マテリアル内でColor User DataからMoGraph Colorを指定している場合,そのマテリアルがクローナー(またはクローン)に割り当てられた場合において,クローナー自体のカラーまたはエフェクタで設定したカラーを取り出すことができます.簡易エフェクタで設定したフィールドカラーはUser Color DataノードからBase Colorへ渡されることになり,各クローンに割り当てられます.この仕組みは非常によく使うことになるのでぜひ覚えておきましょう!

マテリアルは簡単ですがこれで設定完了です.

ライティング(簡単ドームライト)

ライティングはドームライトを使った簡単設定にします.シーンに「Dome Light」を追加します.

ドームライトを追加する

アセットブラウザ(Shift + F8)を開き,hdriで検索して好みのパノラマ画像をドームライトのテクスチャ欄にドラッグ&ドロップします.また,「Background」は今回は「オフ」にしてレンダリング時にパノラマ画像が背景に表示されないようにしておきます.

アセットブラウザから好みのHDRIをドームライトテクスチャに設定する

ライティングも簡単設定ですがこれで完了とします.

ここら辺で一旦データを整理しましょう.

オブジェクトの名前,ヌル分けを行いましょう.エフェクタの役割を名前につけておくと分かりやすくなります.デフォーマやフィールドは非表示にしてエディタ上をすっきりさせておきます.こういった作業こそとても大事なので丁寧に行う癖をつけていくと良いと思います.

シーンを整理する

カメラアニメーションを作成する

続いてカメラアニメーションを作成しますが,今回は事前にこちらで用意したカメラリグを使ってみましょう.実はこのカメラリグはMAXONの公式Youtubeでも紹介された汎用カメラリグになります.カメラそのものにキーを記録するでももちろんよいのですが,こういったリグを使う事でよりコントロールしやすいカメラになります.

カメラリグの作りかたはこちらのYoutube動画をご参考ください.英語ですが自動翻訳でも十分わかる内容になっています.

こちらからカメラリグのデータをダウンロードしてください.

カメラリグのデータをダウンロード

ダウンロードしたCinema 4Dファイルを「ファイル」→「プロジェクトをマージ」でインポートします.

カメラリグシーンをマージする

シンプルなカメラリグの作り方はこちらの記事を参考にしてください.このまま作業を進める場合は,こちらからカメラリグのデータをダウンロードしてください.
ダウンロードしたCinema 4Dファイルを「ファイル」→「プロジェクトをマージ」でインポートします.

今回利用するカメラリグの簡単な説明をしておきます.

Target:カメラの注視点を変更するためのオブジェクトで,ターゲットオブジェクトを移動することでカメラの向きを変更します.

Dolly:カメラの位置をコントロールします.カメラの移動はこのオブジェクトを操作します.

Tripod”角度ですが,角度はターゲットにより変更するのでこのオブジェクトを回転することはありません.

そしてカメラオブジェクト自体にはキーは何も記録しません.そのため,ロックタグを設定してあります.

このカメラリグの特徴はカメラオブジェクト自体には何もキーを記録しない点にあり,例えばレンダラーを変更する必要がある場合などでカメラの差し替えといった作業が容易です.とはいえ,ターゲットとドリーオブジェクトでコントロールするため,慣れるまで少し時間がかかるかもしれません.カメラリグ自体はこれ以外にも回転角度ごとにヌル階層を作る方法など様々なものがありますので,色々試してみて自分に合ったものを取り入れていけばよいでしょう.

それではこのカメラリグを使ってカメラアニメーションを作成していきます.

最初のカメラアングルを決めますが,先にターゲットの位置をアニメーションさせます.

タイムラインを「30F」に合わせます.
Targetオブジェクトを選択し,「座標」タブを開き
「P.X」…「-100㎝」
「P.Y」…「0㎝」
「P.Z」…「15㎝」

にして,位置にして,「P.Y」のみキーを記録します.

ターゲットオブジェクトの位置Yにキーを記録

タイムラインを「50F」に移動させて,
「P.Y」…「130㎝」
でキーを記録します.

50Fでターゲットの位置Yを変更してキーを記録

これでカメラターゲットの位置が変化するアニメーションができました.

続いてDollyオブジェクトの位置をアニメーションさせていきます.
タイムラインを「0F」に戻します.Dollyオブジェクトを選択し「座標」タブを開き,
「P.X」…「-100㎝」
「P.Y」…「100㎝」
「P.Z」…「-400㎝」

にして,位置にキーを記録します.こちらはXYZすべてキーを記録しましょう.

0Fでドリーオブジェクトの位置にキーを記録

タイムラインを「45F」に合わせます.
「P.X」…「150㎝」
「P.Y」…「500㎝」
「P.Z」…「-100㎝」

にして,位置にキーを記録します.

45Fでドリーの位置を変えてキーを記録する

タイムラインを「90F」に合わせて,
「P.X」…「500㎝」
「P.Y」…「100㎝」
「P.Z」…「0㎝」

にして,位置にキーを記録します.

90Fでドリーの位置を変えてキーを記録する

カメラを切り替えてアニメーションを再生させると,次のようになります.

カメラアニメーションができた

カメラの切り替えはオブジェクトマネージャのカメラアイコンをクリックします.もう一度クリックするとデフォルトカメラに戻ります.

カメラ切り替え

このカメラリグの場合はターゲットとドリーオブジェクトに対してアニメーションを設定していきます.位置と角度の役割を明確に分けることができるため,後の調整がやりやすいのもメリットだと思います.とはいえ,この方法がやりにくいと感じる方もいるでしょうから,そこは自分に合った方法を探していけばよいと思います.そういった意味でも色々トライしてみるのは大事ですね.

アニメーションができましたので,次はレンダリング設定を行って完成としましょう.

Redshiftのレンダリング設定

「レンダリング設定」(Ctrl + B)を開き,Redshiftセクションを開きます.

Redshiftのレンダリング品質は「Basic」と「Advanced」で異なり,お手軽簡単設定はBasicです.Basicの場合,基本的には「Bucket Quality」の「Low,Medium,High,Very High」から選択するだけなのでとてもお手軽です.Advancedモードの設定はいずれより実践的なチュートリアルで深く解説していきたいと思いますので,今回はLowまたはMiediumにしておきます.

今回は簡単なBasicで行う

レンダリング時間が遅い場合は「Bucked Quality」のオプションを開いて「Threshold」の値を大きくすればレンダリングは早くなります.ただしノイズは増えます.

カスタマイズも閾値の調整くらいならできる

今回のシーンでは間接照明はあまり影響しないので,時間が気になる場合は「Global Illumination」は「オフ」でもよいと思います.

「出力」セクションを開き,レンダリングする解像度とフレームレンジを設定します.今回のチュートリアルのカメラアングルが正方形解像度用に合わせてあるので,1:1の解像度にします.「フレームレンジ」は「全てのフレーム」にします.

今回の解像度は正方形とする

「保存」を「オン」にして,保存するファイル名とフォーマットを指定します.フォーマットにpngなどの静止画を選択すれば連番ファイルが出力され,mp4などの動画ファイルならすべてのフレームをレンダリング完了後に動画ファイルが生成されます.ただ,アニメーションレンダリングは通常は連番出力が基本です.簡単なテストやプレビューの場合以外は静止画フォーマットを指定しましょう.

以上で「レンダリングして画像ビューアーに」(Shift + R)を実行し,レンダリングを行います.連番出力した画像はAfter Effectsなどでコンポジットする必要があります.

そして完成したアニメーションがこちらです.

データをダウンロード

今回はデフォーマを使った応用的要素が含まれるチュートリアルでしたがいかがだったでしょうか.クローナーとエフェクタでアニメーションをオフセットさせたり,それらをさらにデフォーマーで変形させると,少ないデフォーマでも少し凝ったアニメーションがつくれます.デフォーマは実際のプロジェクトでも使用頻度が高い機能ですので,こういった使い方もできるんだなということを覚えていくと色々なシーンで活用できるはずです.

それでは最後までトライしていただいた皆さん,お疲れ様でした.最後までご覧いただきありがとうございます.

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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