つくって覚える第8回は前回から引き続きデフォーマーの使い方で,別のデフォーマを使ってアニメーションをつくっていきますよ.
デフォーマ自体は変形アニメーションを作るのにとても適しています.そこで,今回の作例はこのようなものになります.
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Cinema 4Dのバージョンは2023.2を使用します.一部2023から追加された新機能も使いますのでご留意ください.
新規プロジェクトを作成する
それではいつも通り新規プロジェクトを作成します.「プロジェクト設定」(Ctrl+D)を開いて,
「プロジェクトスケール」…「1 cm:センチメートル」
「時間最大」…「180F」
にします.
チューブ状のオブジェクトを作成する
今回ベースとなるオブジェクトはチューブ状の形状です.トーラスで行きたいところですが,後々の工程を踏まえると,円形スプラインをスイープで作成することにします.理由は後の工程で説明します.
円形スプラインをシーンに追加します.「オブジェクト」タブを開き,
「楕円形」…「オン」
「半径」…「300㎝」
「Y半径」…「200㎝」
「平面」…「XZ」
「補間法」…「均等」
「分割数」…「100」
とします.
まず,円形を楕円に変更してあります.補間法は均等にして100分割とすることでデフォーマで滑らかに変形できるようにしてあります.
断面用スプラインは多角形スプラインで作る
スイープ用に断面で使うスプラインも必要なので,「多角形」スプラインをシーンに追加します.円形スプラインでも問題はありませんが,多角形スプラインを使うメリットもあります.多角形スプラインは分割数のコントロールがやりやすく,6,8,16,32角形などのように数値で作りやすいのが特徴です.ただし,円形スプラインのように楕円にはできません.
多角形スプラインを選択し,「オブジェクト」タブを開き
「半径」…「30㎝」
「角の数」…「16」
とします.角の数で数値で調整できるのが便利です.
多角形スプラインを円形スプラインに沿って押し出すため,スイープを作成します.円形スプラインと多角形スプラインを共に子オブジェクトにしますが,断面となる多角形スプラインが階層の上側になるようにしましょう.
ツイストデフォーマで円形をねじります
スイープ全体をねじるように変形させるため,ツイストデフォーマをシーンに追加し,円形スプラインの子にします.
ツイストを選択し,「オブジェクト」タブを開き,
「整列」…「X-」(または「X+」)にして,「親に合わせる」をクリックします.
「角度」の値を変えるとX軸を基準として捩じることができることを確認します.
ツイストのアニメーションを作成する
ツイストの角度に対してキーを記録します.
タイムラインを「0F」に合わせ,
「角度」…「0度」
でキーを記録します.※パラメータの左にあるひし形のボタンをクリックするとキーが記録できます.
2つ目のキーを記録します.
タイムラインを「90F」に移動させ,
ツイストの「角度」…「720°」
でキーを記録します.
トラックを往復アニメーションにする
90Fから180Fにかけては再び0°に戻るアニメーションになりますが,これはもちろん3番目のキーを記録してもよいですが,往復アニメーションさせる方法が他にもありますのでここで紹介しておきます.
タイムラインを開き(Shift + F3)ツイストのトラックを選択します.「属性マネージャ」の「設定」タブを開き,
「後」…「往復」
にします.これで最後のキーがある90Fに達した後は最初のキーに向けて往復するアニメーションになります.同じ動作を繰り返すようなときにはこちらの方法も便利です.
タイムラインの「Fカーブ」モードを開くと(タイムラインウィンドウ上でタブキーで表示モードが切り替わります),ツイストのカーブが90Fから折り返していることが確認できます.
チューブに沿って移動する球体をつくる
次は円形スプラインに沿って移動する球体を作ります.
最初の球体を作成し,「オブジェクト」タブを開き
「半径」…「50㎝」
「分割数」…「32」
とします.
この球体を「スプラインに沿う」タグで移動させるのですが,実はスプラインに沿うに円形スプラインを適用してもうまく動きません.変形している円形スプライン上に沿って移動させるためには一工夫必要です.
試しに球体を選択し,オブジェクトマネージャの「タグ」メニュー→「アニメーション」→「スプラインに沿う」タグを適用します.
スプラインに沿うタグのパススプラインに円形スプラインを適用してスプライン上の位置を変更してみますが,ツイストされたスプライン上を移動していないことが分かります.
これは処理の順番によるもので,ツイストさせた後のスプラインに沿って移動させたい場合の対処法の1つとして,MoSplineオブジェクトを使う方法を紹介します.
MoSplineを使う
シーンにMoSplineを追加します.MoSplineはクローナーアイコンの中に格納されています.
MoSplineは少し変わったスプライン生成オブジェクトで,曲がりくねった形状や指定したスプラインオブジェクトのアニメーション.Lシステムという植物構造のスプラインを生成できるオブジェクトです.
今回はツイスト後のスプラインを生成するために使用しますので,MoSplineを選択し,「オブジェクト」タブを開き
「モード」…「スプライン」
にします.すると「スプライン」というタブができるので,こちらを選択し,「ソーススプライン」の欄に「円形」スプラインをドラッグ&ドロップします.
これでMoSplineは変形後の円形スプラインを生成することができますので,球体のスプラインに沿うタグのパススプラインにMoSplinを設定します.
球体を複製してスプラインに沿うをアニメートさせる
球体を選択してコピーペーストするか,オブジェクトマネージャ上でCtrlキーを押しながら球体をドラッグして複製します.複製した球体にもスプラインに沿うのアニメーションがついているので,値を修正していきます.
タイムラインを0Fに合わせ,スプラインに沿うタグを選択し,
「スプライン上の位置」…「0%」と「50%」
でそれぞれのタグにキーを記録します.片方にはスプライン上の位置を50%進めた位置からスタートさせます.
タイムラインを180Fに合わせ,
「スプライン上の位置」…「100%」と「150%」
でそれぞれキーを記録します.それぞれの球体が最初のフレームと最後のフレームで同じ位置に戻ってきます.
今回はここまで!
パート2では衝突デフォーマを使って球体がチューブの中を進んでいくようにします.
パート2の記事へ →→ つくって覚える第8回 デフォーマーアニメーション 2/3