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作って覚える シミュレーション機能で浮き輪づくり 6

前回はコースティクスについての内容でした.今回は浮き輪の上にキャラクターを置いて仕上げまで行います.

目次

キャラクターを読みこむ

キャラクターのシーンファイルはこちらからダウンロードしてください.

ダウンロードはこちら

.zipファイルを展開します.浮き輪のプロジェクトを開き,「ファイル」→「プロジェクトをマージ」(Ctrl + Shift + O)でNeko.c4dファイルをインポートします.またはエクスプローラからShiftキーを押しながらエディタ上にドラッグ&ドロップしてもインポートになります.

ダウンロードしたNeko.c4dをインポートする
ダウンロードしたNeko.c4dをインポートする

インポートしたら「SDS Neko」グループを選択して,移動,回転ツールを使って浮き輪の上に寝かせておきます.また,グループの中に「FFD」デフォーマが入っているのでオンにしてみてください.全体が「く」の時に曲がるように調整してあります.

Nekoの位置,角度を調整する.FFDもオンにする
Nekoの位置,角度を調整する.FFDもオンにする

FFDデフォーマは変形対象をケージで囲み,ケージの形状に合わせて内部のオブジェクトを変形させるデフォーマです.FFDのケージはポイントモードでポイントを選択して調整することができます.例えばモデリング後におおまかに形状を調整したい時にも役に立つデフォーマです.

カメラを作成する

シーンにカメラを作成します.カメラの焦点距離を
「焦点距離」…「ポートレート(80㎜)」
に変更していきます.

また,今回は被写界深度をつかうのでピントの合う位置を決めておきます.「フォーカス距離」を手動で調整してもよいですが,「焦点オブジェクト」にピントの合わせたいオブジェクトを指定すれば,そのオブジェクトの「座標位置」にピントが自動で合います.

「焦点オブジェクト」に「SDS Neko」のオブジェクトをドラッグ&ドロップします.

カメラアングルについてはコースティクスの範囲を収めるアングルにする調整しましょう.

焦点距離,焦点オブジェクトを設定する
焦点距離,焦点オブジェクトを設定する

ピントの合う場所はエディタ上でカメラオブジェクトでも見て取れます.手動で調整する場合は「モデル」モードでカメラを選択し,中心のポイントをドラッグして調整もできます.

手動で調整もできる
手動で調整もできる

今回もレンダラーは「フィジカル」を使用するので,被写界深度はカメラの「フィジカル」タブにある「F値」を設定します.標準レンダラーとフィジカルレンダラーでは被写界深度の設定箇所が異なるので注意が必要です.「フィジカル」タブを開き,
「F値」…「0.4」
にしておきます.

F値を設定しておく
F値を設定しておく

レンダリング設定をする

つづいて「レンダリング設定」(Ctrl + B)を開きます.

レンダリング設定を開く
レンダリング設定を開く

レンダラーを「フィジカル」に変更する

「レンダラー」…「フィジカル」
に変更します.

フィジカルに変更する
フィジカルに変更する

被写界深度とサンプリング品質を設定する

「フィジカル」セクションを開き,
「被写界深度」…「オン」
にします.

今回は被写界深度を使用するのでサンプリング品質は少しあげておきましょう.プリセットを「中」にしてもよいですが,「低」と「中」の中間程度にしておきます.
「サンプリング分割数」…「3」
「シェーディング分割数(最低)」…「1」
「シェーディング分割数(最高)」…「4」
「シェーディングエラーしきい値」…「10%」

にします.被写界深度やモーションブラーを使う場合はここをあげることでブラーが綺麗になります.

フィジカル項を設定する
フィジカル項を設定する

出力,保存を設定する

「出力」タブでレンダリング解像度を指定し,「保存」を「オン」にして保存するファイル名やフォーマットを設定しておきます.

フォーマットについては様々な静止画フォーマットがありますが,昨今は32bitフォーマットでレンダリングすることが多くなっています.代表的なものは.exr, .hdrといったものがありますが,3DCGでは.exrというフォーマットがよく使われます.まだ詳しくは触れませんが,後々のチュートリアルで紹介できればと思います.

仕上げのレンダリング

「レンダリングして画像ビューアーに」(Shift + R)を実行してレンダリングを開始します.

レンダリングする
レンダリングする

レンダリングして出来た画像を少しPhotoshopでトーンを補正しました.

完成!

作って覚えるシリーズ シミュレーション機能で浮き輪づくりはこれで終了です.

ここまでのデータはこちらからダウンロードできます.

今回使ったクロスシミュレーションは当然ながら他にもたくさんの用途で使えます.いろいろ試して面白い形状にトライしてみるのも良いのではないでしょうか.また頂点マップは実制作でも役に立つ機能ですから,まずは基本の使い方を覚えていくと良いでしょう.コースティクスに関しては使用頻度こそ低いものの,コースティクスそのものがトラブルになることもありますが,原因と対処が分かっていることが大事です.

最後まで読んでいただきありがとうございます!
おつかれさまでした.それではまた!

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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