MENU

つくって覚える第2回 フライングロゴをつくろう Part.2 (改訂版2024.09)

前回はスプラインラップデフォーマのパラメータの紹介をしました.今回はスプラインラップでアニメーションを作成していきます.

目次

動画による全行程

作成するアニメーションは次のようなものです.前回の記事でパラメータの理解がある程度できたらどのパラメータを使っているかなんとなく想像できるのではないでしょうか.ツイストしているのでツイストデフォーマも使っているように見えますが,実はスプラインラップのみで完結できます.

オフセットアニメーション

タイムラインを「0」フレームに移動させます.一番最初のフレームに移動するショートカットは「Shift + F」です.よく使うので覚えておきましょう.

タイムラインを「0」に合わせる

スプラインラップを選択し,「オブジェクト」タブを開き,
「軸」…「+X」
「オフセット」…「100%」(※「0」フレーム目でキーフレームを記録します)

「終了」…「200%」
「モード」…「長さを保つ」
「終端のモード」…「延長」

にしておきます.「終了」を「200%」にしてオブジェクトの長さを大きくしておきます.長くする理由はよりダイナミックな形状変化にしたかったためです.

スプラインラップのパラメータを調整する

タイムラインを「90」フレームに移動して,
「オフセット」…「0%」
でキーを記録します.アニメーションを再生(F8)させるとオブジェクトがパススプラインに沿って移動してきます.ただし,90フレームの時点では「終了」を「200%」にしたこともあり,まだ変形した状態になっていますので,スプラインラップ自体の強度も徐々に無くしていきます.

タイムラインを「65」フレームに合わせ,スプラインラップの
「強度」…「100%」
でキーを記録します.
続けてタイムラインを「100」へ移動して
「強度」…「0%」
でキーを記録します.これでスプラインラップの変形中に少しずつ効果が消えていき,100フレーム目では完全に元の状態にもどるようになりました.

強度も減少させていく

操作に慣れてきたらタイムラインウィンドウ(Shift + F3)を開いてキーのタイミングやFカーブモードでモーションを調整してみても良いです.

タイムラインウィンドウのドープシートでキーの位置を調整したり

タイムラインウィンドウでTabキーを押すとFカーブモードになります.ここでモーションカーブを変化させてアニメーションの緩急を調整してみてもよいでしょう.

Fカーブモードでモーションを調整したり

キーを記録するだけでもそれなりのアニメーションにはなりますが,タイミングや緩急はアニメーションづくりの上でとても重要な要素です.最初の内はキーフレームが増えてくるとそれどころではないかもしれませんが,次第に慣れてくるものです.

回転の変形アニメーションを作成する

さらに印象的な変形にするためにツイストを加えてみることにします.ツイストデフォーマもありますが,ここではスプラインラップのツイスト機能を使います.回転のパラメータを開き,
「スプラインの回転」の関数グラフの右側のポイントをY軸の「1」に移動させ,左側のポイントはX軸の「0.2」付近に移動させます.これでオブジェクトがパススプラインの終点付近の時は大きくツイストし,始点に近づくと徐々にツイスト効果がなくなります.

回転パラメータから「スプラインの回転」の関数グラフを調整する

スプラインラップは基本的にはパススプライン上に沿ってオブジェクトを移動・変形させるデフォーマですが,サイズや回転も制御できるので様々な用途に活躍してくれます.

スプラインを生成するMoSplineやトレーサーといった機能とも組みわせたりできるので,工夫次第で面白いアニメーションを作成することもできるでしょう.

個人的には数多いデフォーマの中でも使用頻度は比較的高い方ではないかなと思っています.

テキストオブジェクト用スプラインをマージ(インポート)する

次にテキスト用スプラインをインポートします

テキストデータはこちらからダウンロードできます.

ダウンロードしたzipファイルを展開します.前回までのデータを開いて,「ファイル」→「プロジェクトをマージ」(Ctrl+Shift+O)を選択し,Text_C4DHIGH.c4dを選択して開きます.これで現在のプロジェクトにCinema 4Dファイルをマージできます.またはエクスプローラー上からエディタ上へファイルを「Shift + ドラッグ」してもマージすることになります.

プロジェクトをマージ
Shift + ドラッグ&ドロップでもマージになる

マージしたファイルはテキスト用スプラインを厚みの大きいもの,小さいもの二つの押し出しオブジェクトになっています.ますはこれらをMoGraphの機能でバラバラのクローンにしていきます.

破砕によるクローン化

いくつかの形状がまとまっているオブジェクトをバラバラにしてクローンにするためには「破砕」オブジェクトを使います.クローナーアイコンのサブパレットから「破砕」を作成します.

破砕もクローナーの一種ですが,クローナーのような複製する機能がない代わりに子オブジェクトをすべてクローンにしたり,まとまったオブジェクトをバラバラにしてクローンにする機能があります.

破砕を作成する

Text C4DHIGHのグループを破砕の子オブジェクトに移動させます.これでテキストオブジェクトはクローンになりますが,バラバラのクローンにするためには,「オブジェクト」タブを開いて
「モード」…「セグメントごとに破砕」
に変更します.デフォルトの「ストレート」は子オブジェクトを一つのクローンとして生成しますが,「セグメントごとに破砕」すると,内部のセグメントごとに一つ一つクローンを生成します.この場合は一文字ずつがクローンになります.注意点としては「!」マークの文字のように文字が複数のセグメントに分かれている場合,それぞれが異なるクローンとしてバラバラになります.

破砕でテキストをバラバラのクローンにする

クローンの状態を確認してみましょう.破砕オブジェクトの「トランスフォーム」タブを開き,
「表示」…「インデックス」
に変更すると,各クローンに割り振られたIDを見ることができます.「ストレート」の時はID「0」が一つ,つまり全体で一つのクローンになっているのに対して,「セグメントごとに破砕」では各セグメントごとにIDが割り振られて個別のクローンになっていることが分かります.確認できたら表示は「なし」に戻しておきます.

「ストレート」はパーツ全体で一つのクローンを生成
「セグメントごとに破砕」ではパーツが個別のクローンになる

個別のクローンになるということは,「破砕」に対してエフェクタとフィールを組み合わせて個別にコントロールができることになります.

ちなみに,「セグメントを接続して破砕」は重なっている頂点を結合した状態でクローンを生成します.

破砕の特長は子オブジェクトをクローンにする性質なので,特定のオブジェクトをクローンにしたり,以下のように複数の別々のオブジェクトをまとめてクローンにできます.

破砕は子オブジェクトをクローンにする性質がある

簡易エフェクタと線形フィールドによるシンプルアニメーション

次は破砕にエフェクタを適用してアニメーションを作成していきます.

破砕を選択した状態で「簡易」エフェクタを作成します.

破砕に自動的に簡易エフェクタが適用されます.または簡易エフェクタを作成した後に破砕の「エフェクタ」タブのエフェクタリストにドラッグ&ドロップしても良いです.すでにシーン内にある別のエフェクタを割り当てたい場合には後者の方法で割り当てます.

破砕を選択した状態で簡易エフェクタを作成

簡易エフェクタを選択し,パラメータを
「位置」…「オン」
「P.X」…「0㎝」
「P.Y」…「200㎝」
「P.X」…「-400㎝」

「スケール」…「オン」
「均等スケール」…「オン」
「スケール」…「-1」

とします.スケールを「-1」にしたのでエディタからは見えなくなってしまいますが,これからフィールドを使って見えない状態から徐々に元の位置へ戻るアニメーションを作成します.

簡易エフェクタのパラメータを調整する

フィールドでクローンをコントロールする

簡易エフェクタの「フィールド」タブを開き,フィールドリストから「線形フィールド」を作成します.

簡易エフェクタのフィールドリストから「線形フィールド」を作成する

「線形フィールド」を選択し,「フィールド」タブの
「サイズ」…「200㎝」
に変更します.

「線形フィールド」のサイズを変更する

線形フィールドの効果のかかり具合は次のようになります.線形フィールドを+X方向に移動させると簡易エフェクタの効果がなくなっていきます.「サイズ」は0~1の間の長さになるので,長くすれば少しずつ効果がかかり,短くすれば急激に効果がかかるようになります.また,フィールドの「リマップ」でより詳細にコントロールすることもできます.

線形フィールドの領域

それでは線形フィールドをアニメーションさせるので,タイムラインを「65」に合わせて
「P.X」…「-500㎝」
でキーを記録します.

65フレーム目で線形フィールドの位置.Xにキーを記録する

タイムラインを「100」に合わせて
「P.X」…「500㎝」
でキーを記録します.

100フレーム目で位置.Xにキーを記録

X軸上に移動する線形フィールドによってエフェクタの効果が徐々になくなっていくアニメーションができましたが,少しアニメーションの終わりをやや緩やかにするために,フィールドに「ディレイ」を追加し,
「エフェクト強度」…「30%」
にします.

「ディレイ」レイヤを追加する
ディレイの「エフェクト強度」を調整する

これでアニメーションの終了がややスムーズになりました.

アニメーションができた

ディレイなどの一部のエフェクトは前後のフレーム位置から結果を計算するので,タイムラインのスライダを一気に動かすと前後フレームの計算が間に合わずに結果が異なります.こういったエフェクトは再生ボタンで確認する方が良いでしょう.

またはMoGraphキャッシュタグという機能を使ってエフェクタ効果の結果をキャッシュとして保存できます.この場合はキャッシュから読み取るのでタイムスライダを激しく動かしてもきちんと結果が反映されます.

これでテキストのアニメーションは完成です.ヌルを使ってグループ分けしてオブジェクトやエフェクタの名前をつけて分かりやすく整理しておきます.

ヌル,名前をつけて分かりやすく

次回はマテリアルを作成していきます.

ここまでのデータのダウンロード

作って覚える第2回 フライングロゴ3へ

Motion Elementsで素材を探す

MotionElements - ロイヤリティフリー 動画素材マーケット、音楽、アフターエフェクト テンプレート

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

目次