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作って覚える フライングロゴ編 2

前回はロゴの台座となる形状を作成しました.今回は前回作成した形状をスプラインラップデフォーマを使って変形アニメーションさせていきます.

目次

スプラインラップ用のスプラインを作成する

スプラインラップデフォーマは文字通りスプラインを使ったデフォーマですので,先にスプラインを作成します.エディタビューを「上面図」に変更し,「ポイント」モード,「スプラインペンツール」をアクティブにします.

上面図にして,ポイントモードとスプラインペンをアクティブにする

ポイントを下図を参考にして作成してください.接線は不要です.各ポイントの座標位置を参考に明記しておきますので,ピッタリ合わせたい場合は座標マネージャを開いて,各ポイントを選択して位置に数値入力します.

作成するスプラインポイントの目安
ピッタリ合わせたい場合は座標マネージャで数値入力してもよい

スプラインを選択し,
「タイプ」…「Bスプライン」
に変更します.Bスプラインはポイント間の中間をなめらかに補間した曲線にしてくれます.ベジェのように接線を使った細かい調整はできませんが,簡単に曲線を作れるので便利です.他の「3次」,「Akima」も接線が不要で曲線を作るタイプでこれらはポイント上を通過しながら曲線を生成します.いずれも生成されるカーブ形状は異なるので場合によって使い分けてもよいでしょう.また,スプラインの名前も目的に応じて変更しておきます.今回はスプラインラップデフォーマのパスとして使うので「パススプライン」としました.

Bスプラインはポイント間を補間しながら曲線を生成するタイプ

スプラインラップデフォーマで変形させる

スプラインラップデフォーマを作成します.

スプラインラップデフォーマを作成する

スプラインラップデフォーマは押し出しの子に配置します.BGスプラインの子にならないようにしてください.スプラインラップデフォーマの「オブジェクト」タブの「スプライン」の欄にパススプラインをドラッグ&ドロップすると,押出オブジェクトがパススプラインに沿って変形します.分割数が少ないとこの時にカクカクして綺麗に変形してくれません.

スプラインラップデフォーマで変形させる

スプラインラップデフォーマのパラメータを変更することで変形状態をコントロールできます.いくつかのパラメータを組み合わせてアニメーションを作っていきますが,その前に主要なパラメータをピックアップして効果を紹介していきます.

強度:デフォーマのかかり具合を調整します.

オフセット:変形オブジェクトをスプライン上に沿って動かすために使用します.0%以下,100%以上の値を入力することもできます.後述する「終端のモード」によってはスプラインの延長ライン上にオブジェクトを移動させることもできます.

開始・終了:スプライン上のどの区間に変形させるかを指定するパラメータです.
「開始」…「25%」
「終了」…「75%」

とした場合は,スプラインの全長のうち,25~75%の位置に渡ってオブジェクトを変形させます.「開始」が「0%」,「終了」が「100%」の場合はスプラインの全長に渡りオブジェクトが変形します.

「開始」と「終了」の効果

モード「スプラインに合わせる」はオブジェクトの長さがスプラインの長さに引き伸ばされます.対して「長さを保つ」の場合は元の形状の長さを保ったままスプライン上に変形します.前者は形状を変形させて面白い効果を得られることもありますが,もし変形対象オブジェクトを引き伸ばしたくない場合は後者を選択するとよいでしょう.

モードの違い

「終端のモード」「制限」はスプラインの始点,終点地点で変形が終了しますが,「延長」は始点,終点の延長線上にも効果が及びます.例えばスプラインの延長線上に移動させたい時は「延長」モードにして,「オフセット」を0%以下,または100%以上の値にするとよいでしょう.

「延長」モードで「オフセット」を調整した例

サイズ

パラメータの下側にはサイズ,回転を制御するためのパラメータがあります.サイズのパラメータを展開してみると,「サイズ」,「サイズの強度」,「スプラインサイズ」,「スプラインの強度」があります.いずれもサイズコントロール用で4つもあるので難しそうですが,実は簡単です.

「サイズ」

UIは関数グラフになっていますが,これはオブジェクトそのものの長さを始点から終点までの間でサイズを調整するためのパラメータです.スプラインの接線に対して垂直に交差する平面上でサイズが変わります.文章だけでは分かりにくいので図にすると単純な事だと分かります.関数グラフの右側(始点)のポイントY=0にすると,オブジェクトの始点サイズが0になります.「サイズの強度」は関数グラフの数値にさらに乗算する数値です.0 以下,100%以上の値を設定できるので,よりサイズを強調したりできます.

「サイズ」の関数グラフはオブジェクトの長さに対して作用する

関数グラフにポイント追加する場合はグラフ上でCtrl + クリックします.このポイント上で右クリックのコンテキストメニューから折れ線にしたり,様々な形状のグラフを作成できます.

「スプラインのサイズ」

こちらはパススプラインの始点と終点に対して作用するパラメータです.例えば,スプラインラップのオフセットでオブジェクトを移動させたときに,ある地点においてスケールを変更したりできます.

パススプライン上のある地点だけサイズを変更したりできる

このように,「サイズ」はオブジェクトそのもののサイズを変え,「スプラインのサイズ」はパススプライン上でのサイズを変更できます.はじめはとっつきにくいかもしれませんが,変形の効果対象だけ掴んでしまえばコントロールはそれほど難しいものではありませんし,複雑な変形アニメーションをサポートしてくれます.

回転

回転についても基本的にはサイズと同じですが,回転用に「アップベクター」と「バンク」のパラメータがあります.アップベクターは変形オブジェクトの上方向のベクトルを定義するものですが,話が難しくなるのでここでは割愛します.基本的には変形オブジェクトの向いている方向を変更したいような場合に設定します.

バンク

バンクは変形した状態からオブジェクトを回転させることができます.これはオブジェクト全体の形状に作用します.

全体を回転できるバンク

回転

「回転」もサイズ同様,オブジェクトの長さに対して作用します.こちらは長さに応じて効果をかけるので形状をねじる(ツイスト)ように変形させることができます.関数グラフをより細かく設定することで複雑なツイスト変形が可能となります.

「回転」はねじる変形になる

スプラインの回転

こちらもサイズ同様,パススプライン上のある地点でのツイスト変形ができます.

「スプラインの回転」はパススプラインの任意の地点でツイストできる

他にもスプラインラップ特有の「境界ボックス」といった項目もありますが,今回は割愛します.まずはパススプラインに対してのオフセットや開始,終了,モード,終端のモードを理解して,さらにサイズと回転のコントロールが出来るようになれば十分活用できるものになると思います.次回以降はこれらのパラメータを活用して変形アニメーションを作成していきます.

レールスプラインや境界ボックスの紹介は省いてますが,ある程度慣れたら学んでみると良いでしょう.

ここまでのデータはこちらからダウンロードできます.

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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