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Cinema 4D for Beginners Part 3 マテリアル基礎

目次

マテリアルとは質感を設定するためのもの

マテリアルとは3Dオブジェクトに質感を与えるための素材です.マテリアルは単純に表面の色だけでなく,磨き上げられたような反射や,ざらざらした反射,金属のような反射,ガラスのような光が屈折するような素材,光を放つ素材など様々な特性を設定で作ることができます.画像(テクスチャ)やシェーダ使って模様を与えたり,それらを複雑に組み合わせることもできます.このパートではそのパラメータについては詳細を省き,まずはCinema 4Dでのマテリアルにどのようなものがあるのか,どれを使うべきか,マテリアルの割り当て方を大まかに理解しておくための内容となります.パラメータの詳細についてはまた別のチュートリアルで紹介したいと思います.

まずはマテリアルマネージャを開いておきます.をクリックするか(Shift + F2).
「作成」メニューから新規で様々なマテリアルを作成できます.
※サードパーティレンダラの場合はそのレンダラ専用設計のマテリアルが用意されているため,そちらを使うことになります.画像内の3DelightやV-Ray,Cycles 4Dといった項目はプラグインをインストールしている場合に表示されます.

レンダリング設定でレンダラーが「標準」または「フィジカル」の場合

Redshiftのマテリアルはレンダリング設定でレンダラーを「Redshift」にして作成メニューのRedshiftから作成できます.
※Cinema 4D S26からRedshiftのCPUレンダリングはRedshftライセンスが無くても使用できます.GPUレンダリングを行う場合はRedshfitライセンスが別途必要です.Maxon Japanのnote記事も併せて参照してみてください.

レンダラーがRefshiftの場合はRedshiftマテリアルを作成できる

マテリアルの作成と種類について

作成できるマテリアルの種類は大きく分けて標準マテリアルか,ノードマテリアルかの2種類に分かれます.作成メニューのには沢山の種類があるためこれらを簡単に解説しておきます.

マテリアルの作成はマテリアルマネージャの空欄をダブルクリックして作成することができますが,この場合は「新規 デフォルトマテリアル」が作成されます.

マテリアルを作成後,マテリアルマネージャ上のサムネイルをダブルクリックするとマテリアルエディタを開くことができます.

新規 デフォルトマテリアル

「一般設定」(メインメニュー「編集」→「一般設定」またはCtrl + E)で設定した「デフォルトマテリアル」に従って作成するマテリアルです.デフォルトマテリアルが標準なら常に標準マテリアルが作成されます.

新規 PBRマテリアル

PBRマテリアルは標準マテリアルを作成し,初期設定がPBR(フィジカルベースドレンダリング)用の設定になっています.通常の標準マテリアルは素材の色を「カラー」チャンネルで扱うのに対して,PBRは「反射」チャンネルでカラーが設定されている状態になります.色を反射で扱うという点は物理現象に基づいたものですが,Cinema 4Dの標準レンダラにおけるこのPBRマテリアル設定はレンダリングが遅いためほとんどの場合において非実用的です.標準マテリアルで十分実用的な絵が出せますので,個人的には現時点では実用性という点で言えばPBRマテリアルの利用はオススメしません.

カラーを反射で扱う設定になっているPBRマテリアル

新規 標準マテリアル

Cinema 4D初心者で,標準またはフィジカルレンダラを使用する場合はこの標準マテリアルを覚えるのが良いでしょう.学習のしやすさ,扱いやすさという点で優れていますし,必要十分なクオリティの絵は出せます.

標準レンダラを使うならオススメの標準マテリアル

標準マテリアルは左側にある各「チャンネル」を組みわせて質感を設定していきます.

新規 ノードマテリアル

標準マテリアルとは異なるタイプのマテリアルで,ノードを組み合わせて質感を作成できます.標準マテリアルより優れた点も多くあり,より複雑なマテリアルを作ることも出来ますが,反面ノードの機能が豊富すぎて何をしていいのか初心者には分かりにくい点が多数あるため,中~上級者向けのマテリアルです.

メリットの一つとしてはノードの流れから何をしているのかが把握しやすく,マテリアル構成が分かりやすい点です.次の画像はシンプルな例ですが,テクスチャやシェーダにどのような処理をしてマテリアルのどのパラメータで利用しているかが分かりやすいです.標準マテリアルでは各チャンネル内を開いては一つ一つ確認しないといけないため,複雑な設定にした場合に後々の調整が大変です.

マテリアル構成を把握,調整しやすいノードマテリアル

また,ノードマテリアルは初期設定では先に紹介したPBRと同じカラーを反射で扱う設定になっているため,レンダリングが遅いです.しかしノードマテリアルは「プロジェクト設定」(Ctrl + D)の「ノード」タブの「カラーチャンネルを使う」をオンにすることでレンダリング速度の低下を回避できます.

「プロジェクト設定」で「カラーチャンネルを使う」

新規 Uberマテリアル

上記と同様のノードマテリアルですが,こちらは基本的な設定がすでに出来上がっているためマテリアルエディタ上で標準マテリアルのように使うこともできる他,ノードエディタを開いてさらにカスタマイズすることもできます.

Uberマテリアルはノードマテリアルだが,標準マテリアルのようにも使える

Uberマテリアルには標準マテリアルの「環境」や「グロー」,「霧」など一部の機能はありません.ノードマテリアルは新しいマテリアルで,そのような一部の古い機能は使えなくなっています.

新規 芝生マテリアル

芝生用のマテリアルを作成します.標準またはフィジカルレンダラー専用です.このマテリアルを適用したオブジェクトは芝生を生成するようになります.

新規ヘアマテリアル

ヘア用のマテリアルを作成します.ヘアマテリアルでは色やスペキュラ以外にもヘアオブジェクトの長さや太さ,縮れやウェーブといった形状に関わる項目も設定できます.詳細は割愛し,別のチュートリアルの機会で紹介できればと思います.

新規 PyroCluster マテリアル / 新規 Pyro Cluster ボリュームトレーサ マテリアル

PyroClusterとは雲,炎,煙,霧のようなボリューム効果を表現するための機能です.サードパーティ製のボリューム用のプラグインと比べると機能面で劣りますが,プラグイン無しで標準レンダラーでも使える点は魅力的です.とはいえ,少し設定を詰めるとレンダリング時間が大幅に長くなる点や,最近のサードパーティプラグインに比べると表現力で劣るのがデメリットです.

新規 シャドウキャッチャー マテリアル

シャドウキャッチャーマテリアルの目的は割り当てたオブジェクトに映る反射,または影をアルファチャンネルとして出力することです.よってこのマテリアルには質感に関するパラメータはなく,影と反射をどのように受けるかの設定だけです.シャドウキャッチャー自体はマルチパスレンダリングというレンダリングした画像を成分ごとに出力する機能を使う事でも実現可能ですが,こちらを使うとより簡単に出力できます.

特殊マテリアル

特殊マテリアルは特定の用途専用に用意されているマテリアルプリセットです.しかしこれらのマテリアルは基本的に古いものです.個人的には使用することがありませんが,試してみて使えるようであれば使ってみて下さい.

マテリアルの割り当て方

マテリアルの割り当て方はいくつか方法があります.

  1. オブジェクトマネージャにドラッグ&ドロップ
  2. エディタ上のオブジェクトにドラッグ&ドロップ
基本的なマテリアルの割り当て方

選択ポリゴンにマテリアルを割り当てる場合

事前にポリゴンモードでマテリアルを割り当てたいポリゴンを選択した状態で,「選択」→「選択範囲を記録」するとオブジェクトに「ポリゴン選択範囲」タグが作成されます.事前に割り当てたマテリアルタグを選択し,「選択範囲に限定」の欄に選択範囲タグをドラッグ&ドロップすることで,その選択範囲だけにマテリアルを割り当てることができます.

選択範囲タグを作成する
「マテリアル」タグの「選択版に限定」に選択範囲タグをドラッグ&ドロップ

または,ポリゴンモードでポリゴンを選択した状態のエディタ上のオブジェクトにドラッグ&ドロップしてもよいです.この場合は自動的に選択範囲タグが作成され,マテリアルタグの選択範囲に限定に設定された状態となります.

ポリゴン選択したオブジェクト上にマテリアルをドラッグ&ドロップ

オブジェクトに対して複数のマテリアルを割り当てる場合の注意点

オブジェクトに対して複数のマテリアルを割り当てた場合,マテリアルタグも当然複数作成されます.この時,マテリアルタグは左側から順に処理されていきます.選択版に限定したマテリアルのタグの右側に,何も設定していないマテリアルタグがある場合は,右側にあるタグが優先されてすべて上書きされてしまう点に注意してください.このような場合はタグをドラッグ&ドロップして順番を入れ替えましょう.

マテリアルタグは左側から順に処理されていく

マテリアルタグは左側から順に処理される
タグの並び順はドラッグ&ドロップで入れ替えることができる

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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