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つくって覚える第1回 はじめてのCinema 4D アニメーション Part.1 (改訂版2024年08月)

このチュートリアルは2024年8月に内容を更新いたしました.
使用しているバージョンは

Cinema 4D 2024.5
Redshift 3.6.04

となります.

つくって覚える第1回はCinema 4Dをはじめて触る方,3DCGをこれから始める方,Cinema 4D初心者の方でもトライしていただける内容となっています.チュートリアル全体のボリュームは結構長いので,少しずつ取り組んで貰えるように区切り区切りでデータをダウンロードできるようにしてあります.上手くいかなくても途中から再開できますので,とりあえず手を動かしてアニメーションをつくってCinema 4Dの雰囲気を感じ取ってもらえると思います.

このチュートリアルでは次のようなアニメーションを作ることを目標にします.これからCinema 4Dをはじめる方向けの内容なので手順を出来る限り細かく記載しています.

目次

動画版の全工程

新規シーンの作成

「ファイル」→「新規プロジェクト」で新しいプロジェクトを作成します.プロジェクトを作成したら,「プロジェクト設定」(Ctrl + D)を開いて,
「プロジェクトスケール」…「1」「㎝: センチメートル」
「時間最大」…「150F」
にします.

まずはプロジェクト設定を確認

プロジェクトスケールとは

プロジェクトスケールはシーンの基準となるスケールで,この単位によってCinema 4D内の1という数値が1cmなのか,1mmなのか,1mなのか決定します.例えばこれから作成するオブジェクトやシーンがとても小さいもので,1mmを基準にして作成したい場合には「㎜: ミリメートル」にするといった具合で使用します.

このチュートリアルではデフォルトの「cm: センチメートル」で作業を進めます.

注意すべき点は,このスケール単位を変更するとシーン全体が再スケールされるという点です.例えばプロジェクトスケール単位が「cm: センチメートル」の時に1㎝角の立方体を作成した後で,プロジェクトスケール単位を「㎜:ミリメートル」に変更すると,1㎝角の立方体は0.1㎝に再スケールされます.この機能は他のDCCツールで作成されたシーンのスケールが合っていない場合などにプロジェクトスケールの単位を変更または「プロジェクトをスケール」によってシーンのスケールを調整することができます.シーンの作成途中にこの単位を変更するとシーン内すべての大きさが変化することになります.

表示単位は「一般設定」(Ctrl + E)の「単位」セクションで変更でき,こちらはシーン内の表示が単位換算されるだけです.

プロジェクトスケールを変更するとシーン全体がスケールされる(大きさが変わる)
表示単位は一般設定の「単位」で変更可能(単位変換のみ)

FPS(Frame Per Second)を確認

Cinema 4Dではデフォルトで30FPSの設定になっています.30FPSとは一秒間に30枚の絵を繋ぎ合わせてアニメーションさせることです.24FPS,60FPSなど聞いたことがあるかもしれません.このチュートリアルでは30FPSのまま作業を進めます.

プロジェクトの時間を確認

今回は全体で150Fのアニメーションを作成します.もっと長くしたい場合は「時間最大」を増やすことができます.エディタ下にあるタイムライン上からでも調整できるようになっています.

プロジェクト設定が出来たら,さっそくシーンの作成に移ります.

球体で世界の地面を作る

作例の地面は大きな球体になっているので,はじめに球体をシーンに追加します.オブジェクトの作成に関してはメインメニューの「作成」からでも行えますが,説明ではアイコンから作成していきます.

立方体アイコンを長押しして,サブパレットの中から「球体」をクリックします.球体を選択した状態になっているので,「属性マネージャ」で
「半径」…「500cm」
「分割数」…「100」

「タイプ」…「6面体」
にしておきます.分割数をあげるとなめらかな球体になります.

球体を追加する

球体を大きくしたのでエディタが表面で埋め尽くされてしまいました.次の工程に進む前にエディタの操作について慣れておく必要があるので,一旦エディタ操作の解説をはさみます.

エディタの操作を練習しましょう

エディタカメラの操作について紹介していきます.

カメラ操作の方法はいくつかあり,最もよく使うと思われるのはショートカットキーとの組み合わせですが,アイコンを使ったり,数字の1,2,3キーのコンビネーションを使うことができます.

今回はデフォルト設定の紹介になりますが,一般設定(Ctrl + E)の「ナビゲーション」セクションで好みの操作設定にすることもできます.エディタビューの操作は3Dソフトでは最も頻繁に行う操作ですので,快適に操作できるようになることが重要です.デフォルト設定が馴染まない方はカスタマイズしてみても良いでしょう.

カメラ操作用のアイコンはエディタの右上にカメラ操作用アイコンが3つ用意されています.左から上下左右移動,前後移動,回転の順に並んでおり,アイコンにカーソルを合わせてドラッグすることで操作できます.

カメラ操作用のアイコン

左から
パン(上下左右の移動)
ドリー(前後移動)
タンブル(回転)
となっています.ただし,通常アイコンで操作することはほとんどないと思われますので次に紹介するショートカットの方を覚えていきましょう.

一番右にあるのは分割ビューの切り替えで後で解説します.

上下左右の移動

Alt + 中ボタンドラッグ
数字の1 + 左ドラッグ

前後移動

Alt + 右ドラッグ or マウスホイール回転
数字の2 + 左ドラッグ

回転

Alt + 左3ドラッグ
数字の3 + ドラッグ

オブジェクトを見失った場合の対処

オブジェクトマネージャで何かオブジェクトを選択するとエディタの外周に黄色い矢印が表示されます.これは選択中のオブジェクトがある方向を示しており,矢印をクリックするとそのオブジェクトをエディタの中心に表示します.Sキーを押しても同じ操作となります.

何かオブジェクトを選択して矢印をクリック

ビュー操作のアンドゥを使う方法

エディタビューのカメラ操作用のアンドゥが用意されています.(Shift + Ctrl + Z)
段階的にカメラ操作を元に戻せます.

どうしてもカメラが元に戻らない場合は,エディタメニューの「ビュー」→「初期の表示」でCinema 4D起動時の位置へカメラが戻ります.

その他,「選択したエレメントを表示」や「選択したオブジェクトを表示」もあるので,これらも覚えておくと便利です.

カメラ操作のための機能を覚えておくと便利

カメラのナビゲーションモード

カメラにはナビゲーションモードが幾つか用意されており,デフォルトでは「カーソルモード」になっています.今回は初めての方向けのチュートリアルなのでデフォルトのままで進めますが,簡単にどんなモードがあるか紹介だけしておきます.好みに応じて変更してみると良いでしょう.モードはエディタメニューの「カメラ」→「ナビゲーション」から変更できます.

カメラのナビゲーションモードを変更できる

カーソルモード

オブジェクト上でクリックされた箇所を基準(十字マークが表示される)にカメラが移動,回転します.基準点を狙った位置に調整できるため柔軟に操作が行えるモードです.

中心モード

エディタビューの中心を基準にカメラが移動,回転します.

オブジェクトモード

選択中のオブジェクトやエレメント(ポイント,エッジ,ポリゴン)を中心にカメラが移動,回転します.

カメラ

カメラ自身を中心に回転します.移動はせず,視点のコントロールのみできます.

カメラ2Dモード

シーンを2Dの見た目として表示するモードです.例えば,シーンの奥の方の状況をそのままの画角で確認したい場合などで一時的に使用します.操作後にカメラモードを戻すのを忘れないように気を付けましょう.

以上がナビゲーションモードです.好みに応じてそれぞれのモードを使い分けても良いでしょう.

分割ビューの切り替え

エディタビューを分割ビューに切り替える方法は,エディタ上でマウスの中ボタン(ホイールボタン)を押す方法を主に使用しています.分割ビューから戻したい時は全画面表示したいビュー上で再度マウス中ボタンを押します.

分割ビューへの切り替え

他にはエディタメニューの「パネル」から変更できます.それぞれにF1~F5が割り当てられています.

「パネル」メニュー

カメラアイコンの一番右にあるアイコンをクリックして切り替えることもできます.

切り替え用アイコン

道路のモデリング:スプラインとスイープ

それではカメラ操作にある程度慣れたところで,球体の上に道路を作成していきます.スプラインとスイープジェネレータを使ってみることにします.スプラインを使ったモデリングはCinema 4Dで使用頻度が高い方法の一つです.

スプラインアイコンの中から「円形」スプラインを作成し,
「半径」…「500cm」
「補間法」…「最適」
「分割角度」…「0°」

にします.

スプラインは内部的には線上にいくつかのポイントを持っています.そのポイントとポイントをどのように繋げるかを決めるのが「補間法」で,そのポイント数を調整するのが「分割角度」または「分割数」になります.

「分割角度」の場合は「0°」に近いほど細かく分割されるので,内部的に持っているポイント数は多くなります.つまり滑らかな曲線になります.あまり細かくしすぎると処理が重くなりますが,今回はシンプルな円なので「0°」にして細かく分割しておきます.細かくする理由は次のスイープした時に滑らかな分割にしたいためです.

スイープを使ってこの円形スプライン上に道路を作成したいので,長方形スプラインを作成し,
「幅」…「8cm」
「高さ」…「80㎝」
「フィレット」…「オン」
「半径」…「1cm」

とします.

フィレットをオンにすることで角を少し丸くしています.

続いてスイープジェネレータを作成します.スイープはSDSアイコンのサブパレット内にあります.作成したら,長方形スプラインと円形スプラインをそれぞれスイープの子オブジェクトにしたいのでオブジェクトマネージャ上でスイープオブジェクトの上にドラッグ&ドロップして階層を作ります.

スイープは上にある子オブジェクトが断面,下にあるのがパススプラインなので順番としては長方形が上,円形が下になるように配置します.この時,円形が長方形の子オブジェクトになったりしないように気を付けます.配置が正しくないとスイープが正しく機能しないためです.

これで球体の中心に一本の道路を見立てたリング状のオブジェクトを作成できました.最初に書いたように単にチューブオブジェクトでも同じことができます.モデリングは色々は作り方があるため,一つ方法にこだわらず柔軟な発想で色々な作り方を試してみると良いでしょう.

スイープで道路ができた

オブジェクトをワイヤーフレーム込みの表示にしたい場合は,エディタメニューの「表示」からモードを選択して変更できます.それぞれ特徴があり作業中に変更することがあるので,ショートカットで覚えておくと良いでしょう.メニュー右側に表示されているのがショートカットです.

グーローシェーディング(線)にした状態

オブジェクトの名前を変更しておきます.スイープを「道路」,球体を「地面」として分かりやすくしておきます.

柵のモデリング:対称とインスタンス

続いては道路の左右に立てる柵を作成します.この柵パートではプリミティブオブジェクトを組み合わせて形状を作成してグループ化し,そのグループをMoGraphのクローナーを使って複製させて作成します.最後に複製した柵をエフェクタを使って少しランダムな角度にします.グループ化とクローナー,エフェクタの使い方の基本的な部分となります.

柵のパーツは円柱と立方体を組み合わせて作成できます.単に円柱✖2,立方体✖2を作成しても良いですが,ここでもCinema 4Dの機能を少し使って作ってみることにします.

その前に,柵はシーンの中心で作成するので,地面や道路が見えていると作業がしにくいので一旦これらのオブジェクトはエディタ上で非表示にしておきましょう.オブジェクトマネージャにある小さな丸ボタンの上側を2回クリックすると赤色になりエディタから非表示になります.

他のオブジェクトをエディタから非表示にする

円柱で杭を作成する

プリミティブオブジェクトから円柱を作成します.パラメータを
座標
「P.X」…「20㎝」

オブジェクト
「半径」…「2㎝」
「高さ」…「20㎝」

キャップ
「キャップ」…「オン」
「フィレット」…「オン」
「分割数」…「3」
「半径」…「1㎝」

とします.

円柱を作成してパラメータを調整する

位置に関しては移動ツールを使ってもよいです

移動ツール(W)

移動ツール(W)がアクティブの時は,マニピュレータの先端が矢印になります.X方向にのみ移動させたい時はカーソルを赤いライン上に合わせます.X軸のラインが白くなった状態でドラッグするとX軸上に移動させることができます.他の軸も限定させたい時は同様に各軸上にカーソルを合わせて操作します.これは移動ツールに限らず回転,スケールでも同様に軸を限定した操作が可能です.作業上比較的よく使う機能ですので覚えておくとよいでしょう.

軸を限定した操作も試してみよう

操作する軸を限定したい場合はアイコンで軸をロックさせることもできます.XYZのアイコンをアクティブになっているとその軸はロックされます.例えばX軸上にのみ操作したい場合はYとZのアイコンをロック状態にします.このロックアイコンはXYZのキーがそのままショートカットと対応していますから,間違えてロック状態にしてしまうこともありますので気を付けてください.通常,軸上にカーソルを合わせる方法で行うことが多いかと思います.

X軸以外をロックした場合

反対の杭は対称オブジェクトで作成する

反対側の杭は対称ジェネレータで作成してみます.SDSジェネレータアイコンのサブパレットの中から「対称」を作成します.

対称ジェネレータを作成する
対称を使って反対側を作成する

対称は指定した軸の反対に子オブジェクトを生成します.円柱を対称の子オブジェクトすると原点を基準に(対称オブジェクトが原点にあるため)マイナスX方向に反対側の杭が生成されます.

対称は子オブジェクトを対称自身の軸位置を基準に各軸方向に対称を生成します.対称にしたいオブジェクトが複数ある場合はすべて対称の子オブジェクトにします.「対称平面を表示」のオプションで平面を非表示にできます.

横板を作成する

続いて柵の横板を2枚作成します.こちらは立方体を作成し,パラメータを
座標
「P.Z」…「-2cm」

オブジェクト
「サイズ.X」…「50㎝」
「サイズ.Y」…「5㎝」
「サイズ.Z」…「2㎝」

「フィレット」…「オン」
「フィレットの半径」…「0.5m」
「フィレットの分割数」…「3」

にします.
名前も「横板」にしておきましょう.

立方体で横板を作成する

もう一枚の横板は別の機能であるインスタンを使って作成します.横板用の立方体を選択した状態で,ジェネレータサブパレット内より「インスタンス」を作成します.

参照元を選択した状態でインスタンスを作成する

インスタンスを作成する前に選択していたオブジェクトが参照元となりま.手動で行う場合や後から参照元を変更したい場合はインスタンスの「オブジェクト」タブの「参照」欄にオブジェクトをドラッグ&ドロップしても良いです.参照元の形状を変更するとインスタンスの形状も変化します.

横板を参照している(ドラッグ&ドロップしてもOK)

インスタンスの座標位置を
「P.Y」…「10cm」
にします(移動ツールでもかまいません)

インスタンスを移動させる

これで柵のパーツは揃いました.最後にこれらをグループ化して扱いやすくしておきます.「ヌル」オブジェクトを作成して名前を「柵」にして,横板や杭のオブジェクトを子オブジェクトにします.

これで柵のパーツは揃いました.最後にこれらをグループ化して扱いやすくしておきます.「ヌル」オブジェクトを作成して名前を「柵」にして,横板や杭のオブジェクトを子オブジェクトにします.ヌルオブジェクトは中身が空のオブジェクトで,複数オブジェクトを扱いやすいようにグループ化する時に使用します.それ以外にも多様な使い方がありますが,ここでは単にグループ化のために使用します.オブジェクトマネージャ上で対称オブジェクトと立方体,インスタンスを選択します.Ctrlキーを押しながらオブジェクト選択すると複数選択できます.Ctrlキーを押しながら再度クリックで選択解除です.また,左ドラッグで矩形選択も利用できます.このあたりの機能はOSのエクスプローラの基本操作とよく似ているので自然と使えると思います.グループ後は,親オブジェクトを選択してまとめて移動などができます.シーン内を綺麗に見やすくするためにもグループ化して名前をつけるようにしましょう.

ヌルオブジェクトを作成して階層化させる

名前は誰が見てもわかる名前を付けるようにしておくとよいです.チュートリアルでは分かりやすさのために日本語で名前を付けていますが,できれば半角英数字を用いるのがオススメです.日本語文字はCinema 4Dだけで制作を完結する場合には問題となるケースはまれですが,他のDCCツールなどで利用するためにデータを渡したりする場合にはエラーになることもありますので注意が必要です.

柵を道路横に配置する

柵が出来たら,道路の脇にぐるっと一周配置していきましょう.配置する機能ではMoGraphのクローナーという機能を使っていきます.

クローナーアイコンをクリックしてクローナーオブジェクトを作成して,柵のヌルを子オブジェクトにします.

クローナー

するとシーン内に柵オブジェクトが複製されます.クローナーのパラメータに「モード」というものがあり,モードを変更してどのように複製するかを指定できます.デフォルトでは「グリッド」になっており,これはXYZの軸上に対してグリッド状に複製したオブジェクトを展開するモードです.クローナーによって複製された各オブジェクトは「クローン」と呼びます.

クローナーによって複製された柵をクローンと呼ぶ

「複製数」は調整でき,複製する間隔は「ステップ」または「終点」およびそのサイズで調整できますが,複製モードにより表示されるパラメータは異なります.

クローナーは複製するための機能ですが,内部のパラメータはかなり多いので少しずつ触りながら覚えていくと良いでしょう.パラメータ名からその役割を推測するのが難しいものもあるので,余裕があればドキュメントも併せて読んでください.今回使用する機能はほんの一部ですので,そのほかの機能は別のチュートリアルの際に紹介できればと思います.

各複製モードを簡単に紹介します.

線形

任意の軸方向にクローンを複製するモードです.位置,角度,スケールも個別に調整して複製することができます.

線形モードは任意の方向にクローンを複製していく

放射

放射状にクローンを複製します.複製数,半径の他,様々なパラメータを持ちます.

放射状にクローンを生成する

グリッド

デフォルトの設定で,XYZグリッドにクローンを複製します.シンプルなグリッドの他,「形状」をつかって「立方体」,「球体」,「円柱」,「オブジェクト」の内部にグリッド状に複製することもできます.

各軸上にクローンを生成する

ハニカム

ハニカム状にクローンを複製します.ハニカム構造体,例えばレンガのような互い違いに複製したい場合にも活用できます.

互い違いにクローンを生成できる

オブジェクト

このモードは指定したオブジェクトの表面やポイント上,エッジ上,ポリゴン上といった箇所にクローンを複製して配置できます.様々なオブジェクトを指定できます.今回はオブジェクトモードを使います.

オブジェクト上にクローンを生成する

今回はオブジェクトモードを使用しますが,そのためのオブジェクトを追加します.新たに円形スプラインを作成し,パラメータを
「半径」…「500cm」

にします.

クローナーのオブジェクトタブを開き,「オブジェクト」欄に作成した円形スプラインをドラッグ&ドロップすると,クローンがスプライン上に配置されます.

スプライン上にクローンを生成する

クローナーのパラメータを調整します.
「分割数」…「35」
「スムーズに回転」…「オン」

「スムーズに回転」はスプライン上に配置するクローンの角度をより正確に計算するためのオプションです.微妙な差ですが,今回のケースではオンにしておきます.なお,必ずしもオンにした方が良いわけではありません.

複製数を増やして回転をスムーズにする

そうしたら地面と道路オブジェクトを表示に切り替えます.現在,柵は道路の中心に配置されており,地面に対して角度があっていないので,位置,角度を調整していきます.クローンの位置や角度はクローナーオブジェクトの「トランスフォーム」で調整できます.パラメータを
「P.X」…「-5㎝」
「P.Y」…「50㎝」

「R.P」…「90°」
「R.B」…「-90°」

にします.トランスフォームは座標はすべてのクローンの位置,角度,スケールを一律で調整する際に使えます.

トランスフォームでクローンの位置,角度を調整

トランスフォームではクローン全体の位置や角度を同じように調整することができます.ただ,柵の配置をより自然に見せるために位置や角度,スケールといったパラメータを各クローン別々に調整したいような場合にはエフェクタを利用します.

クローナー+ランダムエフェクタで柵の位置,角度を少しランダムにする

エフェクタを使うにはクローナーにエフェクタを適用する必要があります.まずクローナーを選択しておきます.その状態でエフェクタのサブパレットを開き,「ランダム」エフェクタを作成します.

クローナーを選択したままランダムエフェクタを作成する

するとクローンの位置が少しバラバラになります.クローナーにランダムエフェクタが適用された状態になりました.クローナーを選択したままエフェクタを作成すると自動的にクローナーにエフェクタが適用されます.クローナーの「エフェクタ」タブに手動でドラッグ&ドロップしてもよいです.ランダムエフェクタが適用されると各クローンの位置がランダムエフェクタの効果を受けてランダムになります.

クローナーにランダムエフェクタが適用された
クローナーにランダムエフェクタを適用した状態

それではランダムエフェクタのパラメータを調整していきます.ランダムエフェクタを選択し,「パラメータ」タブを開き,「位置」の
「P.X」…「0cm」
「P.Y」…「1cm」
「P.Z」…「3cm」

として少しだけ位置をランダムにします.

「角度」…「オン」
「R.H」…「5°」
「R.P」…「10°」
「R.B」…「2°」

として角度も少しランダムにします.

またはスケールをオンにしてサイズを少しランダムにしても良いでしょう.

ランダムエフェクタを使うと個々のクローンの位置,角度,スケールをランダムに調整できます.数値を適当に変更して色々試してみてください.

ランダムエフェクタのパラメータを調整する

これで片側の柵を配置できました.反対側は「対称」を使って生成しましょう.クローナーを対称の子オブジェクトにします.

各オブジェクトには名前を付けておきましょう.エフェクタにもなんの意味があるかを分かりやすく付けておくとよいです.作成するシーンが大きくなるとエフェクタの数もそれなりに多くなるので,その際にどのエフェクタが何の役割を持っているかを明確にしておかないと分かりにくくなりがちです.

例えば今回のランダムエフェクタは「ランダム 柵 位置・角度」などと付けておく良いかと思います.

円形スプラインも「円形 柵配置用」などとしておくと何のためにあるオブジェクトか把握しやすいですし,間違えて削除するなどのリスクを少なくできます.

名前を分かりやすくつけておく
ここまでの状態

Part.1はここまでとなります.

今回までの完成データはこちら

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この記事を書いた人

Cinema 4Dを使用したCG制作を行うフリーランサー.
MAXON認定 Cinema 4D マスタートレーナー

自身の経験を元に後進のために当サイトを開設し運営中.
制作業務のほか,Cinema 4Dの個別トレーニング,企業向けトレーニング,メンターサポートなども行っています.

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