第4回目からはアニメーションの作成に入っていきます.
動画版の全工程
今回は最初に車のモデルをインポートするところから始めます.車のデータは事前に用意したものがありますのでダウンロードしてzipファイルを展開してください.
車のデータをインポートする
「ファイル」→「プロジェクトをマージ」を選択し,Car.c4dファイルをインポートします.
インポートしたデータには「Car」というヌルオブジェクトの中に車の部品が入っています.車が原点にあるので,座標と角度を調整します.
「P.Y」…「503㎝」
「R.H」…「90°」
とします.
車のホイールを回転させるアニメーションをつくる
ここからアニメーションの作成です.アニメーションを作るときはキーフレームを記録して作っていくのが基本的な作業になります.
それでは車のホイールを回転させるために,実際に回転させるオブジェクトを選択します.車の階層を開き,「FR Wheel」というオブジェクトを選択します.このオブジェクトの軸位置はちょうどホイールの中心にあるので,この角度を回転させ続けるとホイールが回転する仕組みです.
選択したら,キーフレームを記録する前にタイムラインを「0」フレームに合わせておきます.
次に「FR Wheel」の座標
「R.P」…「0°」
にした状態で,左側にあるキーフレームボタンをクリックしてキーを記録します.ボタンが赤くなり,これで0フレームに0°というパラメータが記録されます.
タイムスライダーを1秒後の30フレームに移動させます.
「FR Wheel」の
「R.P」…「360°」
にして,キーフレームボタンをクリックし記録します.これで「FR Wheel」オブジェクトは0フレームから30フレームにかけて1回転することになりました.
再生ボタンを押してアニメーションを再生させて確認します.(F8キーで再生と停止ができます)次の問題があることが分かると思います.
・ホイールの回転が等速ではない
・30フレーム目以降回転が止まってしまう
この二つを直しておきます.
ホイールの回転を等速にする
今回は常に同じ速度で回転してほしいので修正します.
タイムラインアイコンをクリック(またはShift + F3)してタイムラインを開きましょう.
タイムラインウィンドウを展開するとアニメーションに関するより細かな調整をすることができます.タイムラインには「ドープシート」,「Fカーブ」,「モーション」モードという3つのモードから表示内容を切り替えることができ,デフォルトではドープシートモードになっています.
ドープシートの役割は記録されたキーがどのフレームにあるのかを確認でき,キーの位置調整などに長けたモードです.
「Fカーブ」モードのアイコンをクリックしてFカーブモードへ切り替えましょう.Tabキーを押すとモードが順番に切り替わります.
Fカーブモードの役割はキーフレーム間のアニメーションをより細かく調整するモードです.デフォルト設定ではカーブが次のようになっているかと思います.横軸が時間,縦軸がパラメータですから,0~10フレーム目辺りまでは徐々に加速している状態で,20~30フレーム目で徐々に減速しているような状態です.等速にしたい場合はカーブを直線にしてあげます.
0フレーム目にあるポイントをクリックして,「線形」(Alt + L または T~6)をクリックすると接線が消えて線形補間になります.これで等速の回転は完了です.次は30フレーム目以降も回転をさせるようにします.
タイムラインの左列にある「FR Wheel」トラックを選択し,属性マネージャの「トラック設定」から
「後」…「オフセットくり返し」(今回の場合は丁度一回転なのでくり返しでも可)
に変更します.「くり返し」は「0」のままで構いません.「0」はずっと繰り返すことを意味しています.タイムラインを縮小(Alt + 右ドラッグ)すると30フレーム目以降に黒いラインがずっと伸びていることが分かります.「オフセットくり返し」は最後のキーの状態からさらにオフセットする形で繰り返していくようになります.
これでアニメーションを再生するとホイールが等速で30フレーム目以降も回転を続けるようになります.
これと同じ操作を「RR Wheel」にも行い,ホイールの回転は完了です.
車の縦揺れアニメーションをつくる
次は車自体の微妙な縦揺れを追加します.これはキーフレームではなく,「振動」タグを車の親グループに設定して行います.車の一番親グループを選択し,「オブジェクトマネージャ」メニューの「タグ」→「アニメーションタグ」→「振動」をクリックして振動タグを追加します.
振動タグをクリックして属性マネージャからパラメータを変更していきます.
「振幅」…「0㎝,1㎝,0㎝」
「周波数」…「8」
「振幅」はどの程度振動させるかで,左からXYZの順に並んでいます.縦揺れはY軸なので真ん中のボックスに1㎝と設定します.「周波数」は振動する頻度です.大きい数字ほど振動の頻度が多くなります.
地面を回転させて車が移動しているように見せる
次は車を進める作業ですが,地面側を回転させることで車が進んでいるように見せていきます.前項の手順が出来ていれば何となく手順は分かるかもしれません.最初にタイムランを「0」フレームに合わせておきます.
「地面全体グループ」を選択し,0フレーム目で
「R.B」…「0°」
でキーフレームボタンをクリックしてキーを記録します.
タイムラインを「150」フレームに移動させ,同じく
「R.B」…「-120°」
でキーを記録します.この角度の値で回転速度が調整できます.
タイムラインのFカーブモードを開き,地面の回転も線形補間に変更します.
簡単ではありますがこれで地面と車のアニメーションは完成です.
キーフレームボタンの使い方,見方について
最後にキーフレームボタンの見方,使い方について補足をしておきます.キーフレームボタンはキーを記録すると赤くなりますが,これは現在のフレームにキーが記録されていることを示しています.
タイムラインを移動させるとボタンの外枠が赤い状態になり,これは他のフレームのどこかにキーが記録されていることを示します.
キーが記録されているフレームでパラメータを変更するとオレンジになり,再度ボタンをクリックするとことでキーを上書き記録します.記録せずに別のフレームへ移動するとそのパラメータは記録されません.
現在のフレームにキーが記録されていることを示します.この状態でボタンをクリックするとキーが削除されます. | |
ほかのフレームにキーが記録されていることを示します | |
すでにキーが記録されいているフレームでパラメータを変更したことを示す.再度ボタンをクリックするとキーを記録します.記録せずにフレームを移動するとキーの値は元に戻ります. |
キーを削除したい場合は,キーが記録していあるフレームへ合わせて,削除されますが,キーがどこにあるか分かりにくい場合はドープシートで見た方がよいでしょう.ドープシートでもキーを選択してDeleteキーで削除ができます.
そのパラメータに記録してあるキーをすべて削除したい場合は,キーフレームボタンをCtrl + Shift + クリックですべて削除となります.